今日はちょっと疲れていた。理由は特にないはずなのに、朝から心が重たい。そんな日は、誰かと会うより、自分のペースで歩くほうが正解だと思っている。昼前に部屋を出て、近所を目的なく散歩した。空気が思ったより冷たくて、季節が変わろうとしているのを肌で感じた。
歩いていると、道端の小さな花に気がついた。普段なら見逃すほどの存在だけど、今日は目に留まった。綺麗というより、強いと思った。踏まれやすい場所で、それでもしっかり咲いている姿が、なぜか心に刺さった。人間の心も同じで、環境が整わなくても、ちゃんと咲く日があるんだろう。
コンビニでホットコーヒーを買い、ベンチに座った。スマホを触らず、ただコーヒーの香りを楽しんだ。目を離した1分が、意外なほど長く感じる。普段どれだけ画面に意識を奪われてるんだろう、と思った。そう考えると、ひとり時間は、ときどき意識的に“止める”必要がある。
その後、近くのカフェに寄った。席は半分埋まっているけれど、騒がしくない。ひとり客が多く、店員も必要以上に話しかけてこない。音楽は少しジャズ寄り。店全体が「自分と向き合ってください」と言ってるようだった。こういう店をひとりで見つけられると、ちょっと誇らしい。
カフェではノートを開いて、今日の気分を書いた。誰にも見せない文字は、素直でいい。自分が何に疲れているのか、書いているうちに少しわかった。大きな理由はなくても、小さな負荷が積み重なると、心も胃袋みたいに重くなるらしい。そこに気づけただけで少し軽くなる。
帰り道、夕日が街を淡く照らしていた。オレンジ色って、人を前向きにする成分がある気がする。誰かが言っていた「夕日は今日頑張った証拠」という言葉を思い出した。特別な成果がなくても、今日を終えることそのものに意味がある気がした。
家に戻ると、さっきより心が静かだった。ひとりで過ごすって、孤独じゃない。自分の心に手を当てる儀式みたいなものだと思う。誰かと過ごす時間も大切だけど、ひとりで整える時間も同じくらい重要だ。
今日の学び:
“ひとりになれる場所”をいくつか持っておくことは、心の保険になる。
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▼誰向け?
・理由なく疲れやすい日がある人
・人混みが苦手な日がたまにある人
・心をリセットするコツを探している人


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