派遣先に配属されて、ちょうど1週間くらい経った頃だった。
いつものようにパソコンの前で作業をしていると、突然、派遣会社の営業担当が現れた。
事前に連絡があったわけではない。
突然だった。
「こんにちは。ちょっと様子を見に来ました。」
そんな感じの軽い言葉だった。
ただ、その言葉を聞いた瞬間、私は少し考えてしまった。
なぜ今なのだろう。
1週間という微妙なタイミング
派遣の仕事は、最初の数日が一番緊張する。
環境もわからない。
人間関係もまだ見えない。
仕事の内容も把握しきれない。
だから、最初の1週間というのは、ある意味で「様子を見る期間」でもある。
営業担当が来たのは、ちょうどそのタイミングだった。
もしかすると、これは単なる定期訪問なのかもしれない。
しかし、人はどうしても理由を考えてしまう。
何か問題があったのだろうか。
派遣先から何か言われたのだろうか。
それとも、ただのフォローなのだろうか。
頭の中で、いろいろな可能性が浮かんできた。
派遣という立場の微妙な心理
派遣という働き方には、独特の心理がある。
会社の社員ではない。
かといって、完全な外部でもない。
その中間にいる。
だから、小さな出来事でも意味を考えてしまう。
営業担当が突然来る。
そのこと自体は珍しいことではない。
しかし、立場が曖昧な分だけ、少し不安も生まれる。
「何か問題があるのではないか」
そんな考えが頭をよぎる。
ただのフォローかもしれない
実際のところ、営業担当が来た理由は単純なのかもしれない。
派遣会社としては、
・現場に問題がないか
・派遣社員が困っていないか
・職場の雰囲気はどうか
そういうことを確認したいのだろう。
特に配属して1週間くらいのタイミングは、フォローを入れるにはちょうどいい。
仕事は慣れてきたか。
人間関係は問題ないか。
何か困っていることはないか。
そういう確認の意味で、営業担当が来た可能性も高い。
人は理由を作りたがる
あとで冷静に考えてみると、営業担当が来た理由は特別なものではなかったのかもしれない。
しかし、その時の私はいろいろ考えてしまった。
人は、出来事に意味を求める。
ただの偶然や日常の出来事でも、そこに理由を探してしまう。
「なぜだろう」
「何かあるのだろうか」
そうやって頭の中でストーリーを作ってしまう。
ソロで働くという感覚
派遣の仕事は、ある意味で「ソロ」に近い。
チームの一員でありながら、どこか少し距離がある。
だから、小さな出来事でも、自分の中で考える時間が増える。
営業担当が来た理由も、本当は単純だったのかもしれない。
ただ、そういう出来事をきっかけに、自分の立場や働き方を少し考えることになる。
結局、理由はわからない
営業担当は少し話をして、すぐに帰っていった。
特に問題の話が出たわけでもない。
何か指摘されたわけでもない。
ただ「様子を見に来た」という感じだった。
だから、本当の理由は今でもわからない。
でも、それでいいのかもしれない。
仕事の中には、明確な理由がない出来事も多い。
ただ、その出来事をきっかけに、自分の状況を少し見直すことができる。
そう考えると、その日営業担当が来たことも、意味のある時間だったのかもしれない。


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