「我々では分からない」と言われ、そして当日に内定した話
はじめに:評価されなかった、と思った瞬間
派遣の現場面談で、4人対1人という形になった。
管理側、現場側、技術側。
いわゆる「決裁に関わる人間が一通り揃っている」構成だった。
面談の終盤、出てきた言葉がこれだった。
「正直、我々ではスキルが分からない」
この一言を聞いた瞬間、
多くの人はこう感じると思う。
「評価されなかった」
「ダメだったかもしれない」
正直、その場では自分もそう受け取った。
「分からない」は不合格を意味するのか
結論から言うと、
この言葉は不合格を意味しない。
派遣現場では、
「分からない=能力が低い」
ではないケースが頻繁に起きる。
理由は単純で、
- 現場側が技術を言語化できない
- 判断基準が共有されていない
- 過去の人材と比較できない
こうした状態では、
評価不能という結論にしかならない。
4人面談という構造の罠
4人での面談は、一見すると厳格そうに見える。
だが実態は逆だ。
- 誰が最終判断者なのか曖昧
- それぞれの評価軸が違う
- 全員が「決めきれない」
結果として、
「分からない」
という言葉が出てくる。
これは個人への否定ではなく、
組織側の判断力の限界を示している。
派遣現場は「分からないまま採用する」
ここが重要なポイントだ。
派遣現場では、
- スキルを完全に理解してから採用
- 将来性を見極めてから判断
こうしたプロセスは、実は少ない。
代わりに見ているのは、
- 会話が成立するか
- 極端な地雷でなさそうか
- 現場の空気を壊さなそうか
つまり、
「分からないが、危険でもない」
という状態は、採用ラインに乗る。
当日内定が出た理由を整理する
面談当日に内定が出た。
これは偶然ではない。
整理すると、理由は3つある。
① 技術が分からなくても、否定材料がなかった
- 明確なNGが出なかった
- 話が噛み合わない場面がなかった
派遣ではこれだけで十分な場合がある。
② 現場が「試してみる」判断をした
派遣は正社員採用と違い、
- ダメなら入れ替えられる
- リスクが限定的
だからこそ、
分からないなら、入れてから見る
という判断が成り立つ。
③ 人が足りていなかった
これは現実的な理由だ。
どれだけ評価軸を作っても、
人が足りなければ決める。
このとき必要なのは、
「最高の人材」ではなく、
「致命的でない人材」だ。
「評価されなかった」のに内定する現象
この体験で一番重要なのはここだ。
評価されなかった
= 採用されない
ではない
派遣の現場では、
- 評価できない
- でも排除もしない
というゾーンが広い。
そして、そのゾーンに入れた時点で、
内定確率は意外と高い。
この経験から得た教訓
この面談から学んだことは明確だ。
- 面談の言葉を深読みしすぎない
- 「分からない」は保留であって否定ではない
- 派遣は論理より運用で決まる
そして何より、
自分のスキルを
相手が理解できるとは限らない
という前提を持つこと。
おわりに:派遣面談は「説明試験」ではない
派遣面談は、
自分の実力を正確に測る場ではない。
それは、
- 現場の事情
- 判断者の力量
- タイミング
これらが絡み合った、
極めて現実的な意思決定の場だ。
「分からない」と言われ、
その日のうちに内定が出た。
この矛盾は、
派遣という仕組みを理解すれば、
何も不思議ではない。
むしろそれが、
派遣現場の“普通”なのだ。


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