子どもの頃、母がふとしたタイミングで買ってくれた一冊の“図鑑”。
あれが今振り返ると、私の思考の原点であり、ひとりで深く考える癖を作った“最初のAI”のような存在だったのかもしれない。
当時の私は、何か特別に頭が良かったわけでもないし、特別に集中力があったわけでもない。ただ、母が選んでくれたその厚い図鑑を前にすると、不思議とページをめくる手が止まらなかった。
「世界って、こんなに広いのか」
「動物って、こんなに種類あるんだ」
「宇宙の大きさって、何これ…?」
理解できないページが半分以上なのに、なぜかワクワクだけは止まらなかった。
■ 図鑑は“ひとりタイム”そのものだった
小学生の私は、友達と遊ぶ日よりも、
図鑑を抱えて布団に潜り込む時間が好きだった。
・惑星のページを見て「地球って奇跡だな」
・恐竜のページで「なんで滅びたんだろう」
・生物のページで「生きるってなんだ?」
いま思えば、これは完全に“思考の筋トレ”。
誰もいない部屋で、ただページを見ながら自分で疑問を作り、自分で答えを探す。これは大人になった今「ひとりで考える力」としてそのまま残っている。
図鑑って、ただの本じゃない。
あれは“自分専用の宇宙”だったんだなと気づく。
■ 母が与えてくれたのは「答え」ではなく「疑問」
母は勉強しろと言ったことがほとんどない。
代わりに、図鑑や本をポンッと置いて、
「これ、面白そうだったから買ってきた」
「気が向いたら見てみな」
とだけ言う。
押し付けない。
説明しない。
でもきっかけだけは必ずくれた。
これは今のAI時代に通じている。
AIが答えをくれる世界では、
“何を疑問にするか”が価値になる。
そしてその“疑問を生む脳”は、あの頃の図鑑が育ててくれたんだと思う。
■ 大人になって分かる「ひとりで深掘りできる人は強い」
社会に出て、いろんな人と関わるようになると気づく。
・自分で考えられる人が強い
・ひとりで情報を整理できる人は成長が速い
・興味を深掘りできる人は、どの世界でも成功する
私にとっての原点はやっぱり「図鑑」だった。
いま、記事を書いたり、サイトを作ったり、人と話すときの“直感”や“発想”は、全部あの頃ひとりでページをめくり続けた時間から来ている。
■ だからこそ、今も「ひとりタイム」を大事にしたい
忙しい大人になると、深く考える時間が奪われる。
スマホ通知
SNS
仕事
人付き合い
気づけば「自分の声」が聞こえなくなる。
でも、ひとりで歩いている時、
ひとりでカフェに座った時、
ひとりで部屋の明かりだけが灯っている夜。
ふと、あの図鑑を前にした頃の自分に戻れる。
「これってなんでだろう?」
「もっと知りたい」
自分の中から湧いてくる小さな疑問こそ、人生を変える種なんだと思う。
■ まとめ:母がくれたのは“天才の芽”
「天才」という言葉は大げさかもしれない。
でも、
“深く考える脳”
“疑問を楽しむ心”
“ひとりで没頭できる力”
これを与えてくれたのは、間違いなく母だった。
そしてその入口になったのが図鑑だった。
大人になっても、ひとりで知識を深掘りするのは最高の贅沢だ。
これからも私は、あの日の続きのようにページをめくり続ける。


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