プルプルホルモンは、平日ランチがおすすめかも。（前橋）

休日の焼肉は、どこも混んでいる。
あの香ばしい煙と音を想像するだけで、
人が集まってくるのだから当然だ。
でも、僕は最近、**「平日の焼肉」**に静かな幸せを感じている。
特に、前橋の「プルプルホルモン」。
ここは、ひとりでふらっと立ち寄るのにちょうどいい店だ。

店の前を通ると、すでにタレと炭の香りが漂ってくる。
ランチタイムの看板には「ホルモン定食 980円」。
安い。
しかもライス大盛り無料の文字が、妙に頼もしい。

中に入ると、カウンターが数席とテーブル席がいくつか。
平日の昼過ぎ、客はサラリーマン数人と作業服姿の男性。
女性一人客もちらほら。
店員さんが気さくで、「どうぞ奥のカウンター空いてますよ」と声をかけてくれる。
その一言で、なんとなく肩の力が抜ける。

メニューを開くと、
「ホルモン焼き定食」「レバ焼き定食」「ミックス焼き定食」など、
いかにも“ごはんが進む系”が並んでいる。
今回は看板メニューの「プルプルホルモン定食」を注文。

カウンター越しに、ジュウジュウと鉄板の音が響く。
タレの香りが鼻をくすぐり、胃が先に動き出す。
数分後、白い湯気とともに定食が運ばれてきた。
ごはん、味噌汁、キムチ、そして主役のホルモン。

ホルモンは名前の通り“プルプル”。
しっかり焼かれているのに、柔らかく、脂が口の中でとろける。
味噌ベースのタレが絶妙で、ごはんを何度でも呼び寄せる。
噛むたびに、甘みと香ばしさが交互に広がる。

ふと気づくと、カウンターの他の客も、
黙々と食べながら、どこか満足そうな表情をしている。
この“無言のランチ時間”が、なんとも心地いい。

休日の焼肉は、どうしても賑やかで落ち着かない。
でも平日ランチの「プルプルホルモン」は違う。
混雑もなく、ゆったりした空気が流れている。
焼肉を“静かに味わう時間”がここにはある。

ごはんをおかわりしても、誰に気を使うこともない。
店員さんも慣れた様子で、笑顔で「はい、大盛りですね」と出してくれる。
こういう自然なやり取りが、ひとり飯を心地よくしてくれる。

食べ終わったあと、
しばらくカウンター越しに鉄板の音を聞いていた。
油のはねる音が、なぜか落ち着く。
店を出るころには、冬の前橋の空気が冷たく心地いい。
外に出た瞬間、服に少しだけホルモンの香りが残っていた。
でもそれさえも、なぜか嬉しい。

「また来よう」と自然に思えた。
休日のごちそうより、
平日昼の“静かな焼肉時間”の方が、僕には合っている。
たぶんこれが、“ひとりランチの贅沢”というやつだ。

「プルプルホルモン」は、
ガッツリ食べたいけど、騒がしいのは苦手、
そんな“ひとり焼肉派”にぴったりの場所だった。

仕事の合間に行くもよし、
散歩帰りにふらっと立ち寄るもよし。
前橋で“静かなランチ時間”を過ごしたいなら、
平日のプルプルホルモンは本気でおすすめ。