正直に言うと、
コールセンターの仕事に強い憧れがあったわけではない。
むしろ、
クレーム対応が多そうだとか、
精神的にきつそうだとか、
そういうイメージの方が先に浮かぶ。
それでも、
人生のある時期にふと、
「一度くらい、やってみてもいいかもしれない」
と思った瞬間があった。
理由は、はっきりしているようで、
実はかなり曖昧だ。
声だけで完結する世界に惹かれた
一番大きかったのは、
声だけで仕事が完結するという点だったと思う。
顔も、年齢も、雰囲気も関係ない。
求められるのは、
話を聞くことと、言葉を返すことだけ。
画面越しでも、対面でもなく、
ただ「声」だけが評価される世界。
そのシンプルさに、
少し救われる気がした。
余計な人間関係がない気がした
職場の人間関係に、
疲れていた時期だったのもある。
雑談、空気読み、立ち位置。
仕事そのものより、
それ以外の要素に消耗していた。
コールセンターなら、
- マニュアルがある
- 役割が明確
- 対応が終われば関係も終わる
そう思うと、
人と関わるのに、ちょうどいい距離感に見えた。
「ちゃんと役に立っている感覚」が欲しかった
もう一つは、
分かりやすく役に立ちたい、という気持ち。
電話の向こうには、
困っている人がいる。
少なくとも、何かを知りたくてかけてきている。
対応が終わった瞬間、
- 問題が解決した
- 相手が安心した
- 「ありがとう」で終わる
この完結感は、
なかなか他の仕事では味わえない。
成果がその場で分かる仕事
コールセンターは、
良くも悪くも、結果が即座に返ってくる。
- 声のトーン
- 言葉の選び方
- 間の取り方
それがそのまま、
相手の反応として返ってくる。
遠回しな評価ではなく、
今の自分がどうだったかが、
すぐに分かる仕事。
それを一度、体験してみたかった。
「向いているかもしれない」という勘違い
正直、
自分が向いているとは思っていなかった。
ただ、
黙って話を聞くことや、
相手の言葉の裏を想像することは、
昔から苦ではなかった。
それが仕事になるなら、
試してみる価値はあるんじゃないか。
今思えば、
半分は勘違いだったかもしれない。
現実はきっと楽ではないと分かっていた
もちろん、
楽な仕事だとは思っていなかった。
- 同じ質問の繰り返し
- 理不尽な怒り
- 感情のコントロール
これらは確実にある。
それでも、
「一度は経験しておかないと、
語る資格もない気がした」
そんな感覚に近い。
逃げたい気持ちと、試したい気持ちの間
今振り返ると、
コールセンターに惹かれた理由は、
前向きと後ろ向きが混ざっていた。
- 何かから逃げたい
- でも、何かを確かめたい
環境を変えたい気持ちと、
自分を試したい気持ち。
その中間に、
コールセンターという選択肢があった。
結局、やらなくても残る感覚
実際にやったかどうかよりも、
「やりたいと思った理由」を考えたこと自体が、
今は大事だった気がする。
- もっとシンプルに働きたい
- 直接役に立ちたい
- 余計なものを削ぎ落としたい
その本音が、
はっきり見えたからだ。
ソロログ的まとめ
なんとなくコールセンターの仕事を
やりたくなった理由は、
- 声だけの世界に惹かれた
- 距離感のある人間関係が心地よく見えた
- 分かりやすく役に立ちたかった
という、
かなり静かな動機だった。
派手な理由はない。
でも、こういう「なんとなく」は、
だいたい本音に近い。
その感覚を無視しなかったこと自体が、
今の自分にとっては、
小さな意味を持っている。


コメント