単発バイトへ行くとき、意外と怖いのが忘れ物だ。
スマホ。
財布。
飲み物。
作業用の服。
軍手。
そして今回、私が忘れたのがシャチハタだった。
仕事そのものに必要な大きな道具ではない。
シャチハタがなくても、荷物を持ったり作業したりすることはできる。
だからこそ、家を出るときには気づかなかった。
ところが勤務先へ行ってから、
「あれ? シャチハタがない」
と気づいた。
その瞬間は、かなり焦った。
今回は、シャチハタを忘れたことに気づいた瞬間、私がまず何を考えて、どう動いたのかを書いてみたい。
「ない」と分かった瞬間が一番焦る
忘れ物というのは、不思議なものだ。
忘れている間は何ともない。
当然だ。
忘れていること自体に気づいていないからだ。
問題は、
「持ってきていない」
と分かった瞬間である。
バッグの中を見る。
ない。
別のポケットを見る。
やっぱりない。
「どこかに入れたかな?」
と思って、もう一度探す。
しかし出てこない。
そこでようやく、
「家に置いてきた」
と理解した。
この瞬間から頭の中でいろいろなことを考え始める。
「シャチハタがないと働けないのかな?」
「帰って取りに行く?」
「コンビニか100円ショップで買える?」
「担当者に言った方がいい?」
「忘れたことで怒られる?」
小さな印鑑一つなのに、仕事前だとかなり大きな問題に感じる。
最初に考えたのは「取りに戻れるか」
まず考えたのは、家へ取りに戻れるかどうかだった。
しかし、勤務開始時間がある。
家まで戻って、シャチハタを取って、もう一度勤務先へ来る。
それをやっていたら時間に間に合わない可能性がある。
忘れ物を取りに帰った結果、今度は遅刻する。
それでは何のために戻ったのか分からない。
シャチハタを忘れたことは失敗だ。
しかし、その失敗を取り戻そうとして別の失敗を増やすのも違う。
そこで私は、
「まず勤務先で確認した方がいい」
と考えた。
これが結果的には一番よかったと思う。
勝手に「もう働けない」と決めない
忘れ物をすると、悪い方向へ考えやすい。
「必須の持ち物だった」
↓
「持っていない」
↓
「今日は働けない」
こんなふうに自分の中だけで結論を出してしまう。
しかし、本当に働けないのかは勤務先に聞かなければ分からない。
代わりの方法があるかもしれない。
貸してもらえるかもしれない。
別の印鑑でもいいかもしれない。
その日は使わない可能性だってある。
つまり、自分で想像している「大変なこと」と、勤務先で実際に起きることは違う場合がある。
だから私は、まず事情を伝えることにした。
「シャチハタを忘れました」と伝える
難しい説明は必要ない。
シャチハタを忘れたなら、
「シャチハタを忘れました」
とそのまま伝える。
これだけだ。
忘れ物をした本人としては言いづらい。
特に初めて行く勤務先では、
「準備のできない人だと思われないかな」
と考えてしまう。
しかし、黙っていて後から必要になったときに、
「実は持っていません」
となる方が困る。
早い段階で伝えれば、勤務先も対応を考えられる。
仕事では、失敗を完全になくすことも大切だが、
失敗した後に早く伝えることも大切
なのだと思った。
シャチハタ一つで仕事前の気分が変わった
面白いのは、シャチハタを忘れただけなのに気持ちがかなり変わったことだ。
それまでは、
「今日も最後まで働こう」
と仕事のことを考えていた。
ところが忘れ物に気づいた瞬間、
「大丈夫かな」
という不安に頭の中が占領された。
仕事の内容よりシャチハタの方が気になる。
たった数センチの小さな物なのに、存在感が急に大きくなる。
普段なら数百円程度で買える物でも、
「今ここにない」
となるだけで非常に重要な物に見えてくる。
忘れ物とは、そういうものなのかもしれない。
結果的には1時間分の給料が出た
今回の経験では、最終的に1時間分の給料が出る扱いになった。
ここは勤務先や求人、当日の状況によって対応が違うはずなので、
「シャチハタを忘れれば給料が出る」
という話ではもちろんない。
あくまで私が経験した、その日の結果だ。
ただ、忘れ物に気づいた時点では、そんな展開になるとは思っていなかった。
私の頭の中では、
「働けるのか」
「帰ることになるのか」
ということでいっぱいだった。
実際には、自分が想像していなかった形で話が進んだ。
この経験から、
分からない段階で最悪の結果を決めつけても仕方がない
と思うようになった。
まず確認する。
それから考える。
順番はこれでいい。
次からはリュックに入れっぱなしでもいい
同じ失敗を繰り返さないためにはどうするか。
一番簡単なのは、
仕事用のシャチハタを一つ決めて、リュックに入れておくこと
だと思った。
仕事のたびに、
「シャチハタを入れたかな?」
と確認するから忘れる。
最初から入っていればいい。
ボールペン。
軍手。
シャチハタ。
仕事でよく使う小物を小さなポーチにまとめて、そのまま仕事用リュックへ入れておく。
これなら準備も簡単になる。
単発バイトは勤務先が毎回同じとは限らない。
だからこそ、自分側の準備をできるだけ固定しておくと楽になる。
前日の夜に確認するのも大事
もう一つ変えたいと思ったのが、確認する時間だ。
当日の朝は意外と忙しい。
起きる。
着替える。
食事をする。
スマホを見る。
電車や徒歩ルートを確認する。
出発時間も気になる。
その中で持ち物まで完璧に確認しようとすると、何か抜けることがある。
そこで前日の夜に、
「明日持っていく物」
を一度並べておく。
シャチハタ。
スマホ。
財布。
必要な作業用品。
飲み物。
これだけでも朝の負担はかなり減る。
私はシャチハタを忘れたことで、持ち物そのものよりも準備の仕組みを作ることの方が重要だと感じた。
忘れ物をした自分を引きずりすぎない
忘れ物をすると、
「なんで確認しなかったんだ」
と思う。
確かに確認していれば防げた。
しかし、起きてしまった後に何度考えても、シャチハタが突然バッグの中に現れるわけではない。
必要なのは、
- 本当にないか確認する
- 戻れる状況か考える
- 無理なら早めに勤務先へ伝える
- 指示を聞く
- 次回の対策を一つ決める
これくらいでいいと思う。
特に単発バイトでは、知らない場所へ行くだけでも緊張する。
そこへ忘れ物まで重なると必要以上に焦ってしまう。
でも一つずつ処理すればいい。
小さな失敗も経験値になる
シャチハタを忘れたこと自体は、成功体験ではない。
完全に失敗だ。
ただし、一度経験すると次から変わる。
仕事へ行く前にシャチハタを見ると、
「あのとき忘れたな」
と思い出す。
すると自然に確認する。
おそらく、何も失敗していなかった頃より忘れにくくなっている。
ゲームなら、モンスターを倒して経験値をもらう。
現実では、失敗して経験値をもらうこともある。
シャチハタを忘れた。
たったそれだけの出来事でも、
「忘れ物に気づいたら、まず確認して早めに伝える」
という経験は残った。
まとめ|まずやったのは、焦って帰ることではなく確認すること
シャチハタを忘れたと気づいた瞬間は焦った。
家へ取りに戻ることも考えた。
このまま働けないのでは、とも思った。
でも、まず必要だったのは自分だけで結論を出すことではなかった。
勤務先に事情を伝えて確認すること。
今回一番大きかったのは、この経験だと思う。
忘れ物をゼロにできれば一番いい。
それでも、人間だから忘れる日はある。
大切なのは、
「忘れた後にどう動くか」
なのかもしれない。
シャチハタを忘れた日は失敗だった。
でも、その失敗のおかげで次の単発バイトへ行くときの準備は、以前より少しだけ上手になった。


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