単発バイトは、最初の1回が一番難しい。
応募ボタンを押す。
勤務先まで行く。
知らない人に声をかける。
仕事内容を教えてもらう。
数時間働いて帰る。
文字にすると単純なのだが、初めてのときは一つ一つが気になる。
私も単発バイトへ行く前には、
「ちゃんと仕事ができるかな」
「場所は分かるかな」
「何分前に着けばいい?」
「自分だけ仕事が遅かったらどうしよう」
など、いろいろ考えた。
ところが、1回経験すると少し変わる。
2回目になるとさらに変わる。
そして3回目になると、
「単発バイトへ行くこと自体が特別ではなくなってくる」
ように感じる。
今回は、単発バイトを3回経験すると何が変わるのか、実際にやってみて感じたことを書いてみたい。
1回目は「仕事」より「行くこと」が大変だった
初めての単発バイトでは、仕事内容以前に、
勤務先へ行くこと自体がイベント
だった。
初めての場所。
初めて会う人。
初めての作業。
何を持っていけばいいのかも確認する。
服装も気になる。
駅から勤務先まで迷わないかも気になる。
遅刻だけはしたくないので、かなり早めに出る。
実際に働く時間が3時間だったとしても、頭の中ではその何時間も前からバイトが始まっている感じだ。
これは普通のアルバイトとは少し違う。
同じ職場へ毎日行くなら、数日で場所も人も分かってくる。
しかし単発バイトは、その日の勤務先が初めてということも多い。
だから1回目は、
「仕事が大変だった」
というより、
「知らない場所へ働きに行く緊張が大きかった」
という印象だった。
一度最後まで働くと「できた」という事実が残る
それでも実際に勤務先へ行く。
説明を聞く。
作業する。
時間が過ぎる。
そして勤務終了になる。
ここで一つ大きな変化が起きた。
「自分でも単発バイトを最後までできた」
という事実が残ったことだ。
これは意外と大きい。
行く前は、
「大丈夫かな」
と想像している。
しかし1回経験した後は、
「前回はできた」
と考えられる。
不安がゼロになるわけではない。
次は違う職場かもしれない。
仕事内容も違うかもしれない。
それでも、
単発バイトそのものが未知のものではなくなる。
これが1回目を終えた最大の変化だった。
2回目は応募するときのハードルが下がった
1回目の前は、求人を見ても慎重になる。
仕事内容。
勤務時間。
場所。
持ち物。
注意事項。
全部気になる。
「応募して大丈夫かな」
と何度も確認する。
しかし2回目になると、
「まあ、一回やっているから何とかなるだろう」
という感覚が少し出てきた。
もちろん求人内容を確認しなくていいという意味ではない。
むしろ確認は必要だ。
ただ、心理的なハードルが違う。
1回目は、
「単発バイトに応募する」
という大きな決断だった。
2回目は、
「次はどの仕事にするか」
という選択に変わってくる。
これはかなり大きな違いだと思う。
2回目になると「何を確認すればいいか」が分かる
経験がないと、何を確認すればいいのかすら分からない。
ところが一度働くと、
「ここは見ておいた方がいい」
というポイントが分かってくる。
勤務開始時間。
集合場所。
服装。
持ち物。
交通手段。
駅からの距離。
終了予定時間。
仕事内容。
こうした項目を自然に見るようになる。
さらに、
「初めての場所だから少し早めに行こう」
「前日に地図を見ておこう」
といった準備もできる。
経験とは、
仕事が上手になることだけではなく、仕事へ行く準備が上手になること
でもあるのだと思った。
小さな失敗も次の準備に使える
単発バイトでは、毎回すべて完璧にいくとは限らない。
忘れ物をすることもある。
場所が分かりにくいこともある。
早く着きすぎることもある。
「これは持ってきた方がよかったな」
と思うこともある。
でも一度失敗すると、次から気をつける。
たとえば持ち物で失敗したら、
「前日に確認しよう」
と思う。
場所で迷ったら、
「次は地図を確認してから行こう」
となる。
つまり、失敗も経験値になる。
1回目より2回目。
2回目より3回目。
少しずつ自分なりの準備方法ができてくる。
3回目になると「仕事へ行く」が普通になってくる
そして3回目。
ここまで来ると、私が一番変わったと感じるのは、
単発バイトへ行くこと自体への緊張がかなり小さくなること
だった。
もちろん勤務先によって仕事内容は違う。
初めての現場なら緊張もする。
しかし、
「単発バイトへ行く」
という行動そのものには慣れている。
朝起きる。
準備する。
家を出る。
勤務先へ行く。
受付する。
説明を聞く。
働く。
終わったら帰る。
この流れが頭の中にできている。
1回目は一つ一つが未知だった。
3回目になると、
「だいたいこういう流れだろう」
と想像できる。
人間は、先が分からないものに不安を感じやすい。
逆に一度流れが分かると、同じことでもかなり楽になる。
「自分にできる仕事か」の判断も少しできるようになる
3回経験すると、求人を見る目も少し変わってくる。
最初は、
「時給はいくら?」
「何時間?」
くらいしか見ていなかったとしても、実際に働くと別の条件も重要だと分かる。
立ち仕事なのか。
荷物を扱うのか。
同じ作業を繰り返すのか。
接客があるのか。
勤務場所まで何分かかるのか。
3時間働くために往復で長時間移動するなら、それも含めて考える必要がある。
時給だけでは判断できない。
「自分にとって行きやすい仕事か」
を見るようになる。
これも経験しないと分かりにくい部分だった。
短時間勤務でも「一日仕事」になることがある
単発バイトで面白いと思ったのは、3時間勤務でも3時間だけ使うわけではないことだ。
準備する。
移動する。
早めに到着する。
働く。
帰宅する。
これを全部合わせると、それなりの時間になる。
そのため3回くらい経験すると、
「時給が高いから応募する」
だけではなく、
移動時間まで含めて割に合うか
を考えるようになる。
これは単発バイト選びでかなり重要だと思う。
家から近い3時間勤務なら使いやすい。
遠い場所なら、同じ時給でも印象は変わる。
実際に何度か働くことで、自分なりの基準が少しずつできてくる。
人間関係を必要以上に心配しなくなった
初回は、
「職場の人とうまくやれるかな」
ということも気になる。
しかし単発バイトの場合、その日だけの勤務なら人間関係の考え方も少し違う。
もちろん挨拶や最低限のコミュニケーションは必要だ。
分からないことがあれば聞く。
指示された仕事をする。
終わったら挨拶する。
基本的にはそれでいい。
3回ほど経験すると、
無理に職場になじもうとしなくてもいい
と分かってくる。
これは私にとってかなり気楽な部分だった。
3回でベテランになるわけではない
ただし、3回働いたからといって単発バイトのベテランになるわけではない。
たった3回だ。
知らない仕事はいくらでもある。
勤務先が変わればルールも変わる。
物流と飲食では仕事内容が違う。
同じ物流でも現場によってやり方は違うだろう。
だから、
「もう何でもできる」
とは思わない方がいい。
3回経験して変わるのは技術というより、
心理的な慣れ
の方が大きいと思う。
一番変わったのは「また行ける」と思えること
結局、一番大きな変化はこれかもしれない。
1回目の前は、
「自分にできるかな?」
だった。
1回目が終わると、
「一回できた」
になる。
2回目が終わると、
「またできた」
になる。
3回目になると、
「必要ならまた行けばいい」
に変わる。
この差は大きい。
単発バイトが特別な挑戦ではなく、働き方の選択肢の一つになってくるからだ。
毎日同じ会社で働く。
在宅で働く。
派遣で働く。
そして、必要な日に数時間だけ単発で働く。
その中の一つとして考えられるようになる。
50代でも「初めて」は3回やれば少し普通になる
年齢を重ねると、新しいことを始める前にいろいろ考えてしまう。
若い人ばかりだったらどうしよう。
仕事についていけるだろうか。
場違いではないだろうか。
しかし、考えているだけでは経験は増えない。
一度行けば「一回経験した人」になる。
二度行けば「二回経験した人」。
三度行けば、少なくとも最初の自分とは違う。
年齢そのものが変わったわけではない。
仕事能力が突然上がったわけでもない。
変わったのは、
「知らないから怖い」という部分が減ったこと
だと思う。
まとめ|3回経験すると「単発バイト」が特別ではなくなる
単発バイトを3回経験して一番変わるのは、仕事の技術ではないと思う。
1回目。
「ちゃんと行けるかな」
2回目。
「前回できたから今回も何とかなるだろう」
3回目。
「必要ならまた応募すればいい」
少しずつ心理的なハードルが下がっていく。
持ち物の確認方法も分かる。
勤務先までの移動も考えるようになる。
自分に向いている仕事も少し分かる。
求人を見るポイントも増える。
そして何より、
「単発バイトへ行く」という行動そのものに慣れる。
3回で何でも分かるわけではない。
それでも、ゼロ回と3回ではかなり違う。
最初の一歩が大きく感じるものほど、一度、二度、三度と繰り返すことで普通の行動になっていく。
単発バイトも、私にとってはそんなものだった。
最初は「挑戦」。
次は「経験」。
そして3回目あたりから、
「必要なときに使える働き方の一つ」
へ少しずつ変わっていくのだと思う。


コメント