仕事を探していると、「とにかく応募数を増やした方がいい」という考え方がある。
特に50代の仕事探しでは、数件応募しただけで結果が出るとは限らない。
それなら10件、50件、100件と応募すれば、どこかから連絡が来る確率は上がるのではないか。
私は東京都内で仕事を探す中で、かなり応募数を増やした。
最終的には約500件の求人に応募するところまでいった。
500件という数字だけを見ると、自分でもかなり多いと思う。
実際、応募数を増やしたことで電話が来る会社も増えた。
一方で、500件まで応募してみたからこそ、
「応募数だけ増やしても、それだけでは足りない」
とも感じるようになった。
今回は、求人へ約500件応募した経験から、応募数より大事だと感じたことを整理してみたい。
応募数を増やすこと自体には意味があった
最初に書いておきたいのは、大量応募そのものを否定しているわけではないということだ。
応募しなければ、基本的には何も始まらない。
求人を眺めながら、
「自分には難しそうだ」
「年齢で落とされるかもしれない」
「もっと条件のいい求人が出るかもしれない」
と考えて応募しなければ、採用される可能性も生まれない。
私の場合、応募数をかなり増やした翌日の午前中に、複数の電話が来たこともあった。
数を増やせば反応が増える。
これは実際に感じたことだった。
特に50代になると、自分の中で勝手に応募できる求人を狭くしてしまうこともある。
その意味では、まず応募してみるという姿勢は大切だと思う。
500件になると「どこへ応募したか」が分からなくなる
問題はここからだった。
10件程度なら覚えていられる。
会社名を見れば、
「あの求人だ」
と思い出せる。
しかし100件、200件と増えてくると難しくなる。
さらに500件近くになると、電話が来ても会社名だけでは求人内容をすぐ思い出せないことがある。
「こちらの求人にご応募いただきまして」
と言われても、
どの仕事だっただろう。
勤務地はどこだっただろう。
時給はいくらだっただろう。
エンジニア求人だったのか、それとも別の仕事だったのか。
頭の中だけで管理するのは現実的ではない。
ここで初めて、
応募数より応募後の管理が重要なのではないか
と感じた。
電話が来ることと仕事が決まることは違う
応募数を増やすと、連絡が増える可能性はある。
しかし、
応募する
↓
電話が来る
↓
仕事が決まる
と一直線に進むわけではない。
電話で詳しく話を聞いた結果、自分が想像していた求人と違うこともある。
勤務地。
勤務時間。
時給。
仕事内容。
必要な経験。
契約期間。
出社頻度。
こうした条件を確認すると、「今回は違う」となるケースも出てくる。
つまり、大量応募によって増えるのは最初の接点だ。
重要なのは、その後に自分と求人の条件が一致するかどうかだと思う。
「応募できる求人」と「働きたい求人」は違う
500件規模で求人を見ると、求人にはいくつかの段階があることにも気づく。
応募できそうな求人。
経験を生かせそうな求人。
条件が合う求人。
実際に働きたい求人。
これらは同じではない。
たとえば、自分の経験に少しでも関連していれば応募自体はできるかもしれない。
しかし通勤時間が長すぎたり、希望する時給に届かなかったりすれば、長く続けるのは難しくなる。
逆に仕事内容だけを見ると少し不安でも、これまでの経験が意外と評価されることもある。
大量応募を経験してからは、
「応募できるか」だけでなく「実際に働く姿を想像できるか」
を見ることが重要だと感じるようになった。
自分の経験を整理することも応募数以上に大事だった
私はこれまで、VB6やSQL Serverなどを使う仕事に関わってきた。
一方で、コールセンターで働いた経験もある。
求人を大量に見ると、
「自分は何ができる人なのか」
を説明できることの重要性を感じる。
VB6を経験している。
SQLを扱ったことがある。
ExcelやVBAを使える。
電話対応の経験がある。
パソコンを使う仕事に慣れている。
一つひとつは別々の経験に見える。
しかし求人によっては、その組み合わせが強みになる。
500件応募して分かったのは、応募ボタンを押す速さだけではなく、
自分の経験を求人ごとにどう結び付けるか
が重要だということだった。
500件すべてを同じ重要度で管理する必要はない
応募件数が多くなると、全部を細かく管理しようとするのも大変だ。
そこで管理にも優先順位が必要になる。
最低限、
会社名
求人名
仕事内容
勤務地
時給・給与
応募日
連絡の有無
面談予定
現在の状況
くらいは残しておきたい。
さらに、自分の中で優先度を付ける。
「かなり働きたい」
「条件次第」
「とりあえず応募」
のように分けるだけでも違う。
電話が来たとき、優先度の高い求人ならすぐ詳細を確認できる。
応募数が増えるほど、こうした整理の価値も大きくなる。
大量応募すると自分の市場も少し見えてくる
500件応募した経験には、もう一つ意味があった。
自分がどんな求人から反応を得やすいのかが少しずつ見えてくることだ。
応募してもほとんど反応がない分野。
比較的電話が来る分野。
経験について詳しく聞かれる分野。
年齢より実務経験を見てもらえる分野。
応募前に考えていた「自分に向いている仕事」と、実際に企業側から反応がある仕事は必ずしも一致しない。
大量応募は単なる就職活動ではなく、
自分の経験が市場でどこに反応されるのかを調べる実験
にもなる。
これは数件だけ応募していたら分かりにくかったと思う。
数を増やした後は「反応率」を見る
最初の段階では応募数を増やす。
しかし、ある程度応募した後も同じことを繰り返すだけでは効率が悪い。
100件応募して何件連絡が来たのか。
どんな求人から連絡が来たのか。
面談まで進んだのはどんな仕事だったのか。
逆に、ほとんど反応がなかった求人にはどんな共通点があったのか。
こうしたことを見る方が次につながる。
たとえば500件応募して終わりではなく、
500件分の結果を次の100件に使う
という考え方だ。
そうすれば、大量応募が単なる数打ちではなくなる。
500件応募して感じた「本当に大事なこと」
求人500件への応募を経験して感じたのは、応募数は入口として重要だということだった。
応募しなければ可能性は増えない。
特に仕事がなかなか決まらないときは、応募数を増やすことが状況を動かす方法の一つになる。
ただし、応募数だけを目標にすると、
「今日は50件応募した」
という数字そのものに満足してしまう可能性がある。
本来の目的は応募件数を増やすことではない。
自分に合う仕事を見つけることだ。
そのためには、
どこへ応募したかを管理する。
電話が来たら求人内容を確認する。
自分の経験を整理する。
反応が良かった求人を分析する。
希望条件とのズレを見る。
そして次の応募へ反映する。
この繰り返しが必要になる。
500件応募して一番大きく変わったのは、「もっと応募しなければ」という気持ちよりも、
「次はどこへ応募するべきか」
を考えるようになったことかもしれない。
数を増やす段階から、数を使って改善する段階へ。
求人500件への応募は、そのことに気づくための大きな実験になった。


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