スマホを見ない1時間を過ごしてみた。思っていた以上に長くて、少しだけ豊かな時間だった

Solo Habits|ひとり習慣

普段の生活を振り返ると、私は思っていた以上にスマートフォンを触っている。

朝起きて時間を確認する。

ニュースを見る。

SNSを開く。

昼休みに動画を見る。

電車の中でも画面を見る。

夜寝る前にも、何となくスマホを手に取る。

「少しだけ見るつもり」が、気づけば三十分、一時間と過ぎていることも珍しくない。

そんな生活を続けているある日、ふと思った。

「一時間だけ、スマホを見ない時間を作ったら何を感じるのだろう。」

そこで、思いつきではあったが、小さな実験をしてみることにした。

スマホを机の引き出しへ入れた

ルールはとても簡単だった。

スマホを机の引き出しへしまい、一時間は取り出さない。

電話が鳴るほど急ぎの予定もない。

仕事中でもない。

一時間くらいなら問題ないだろう。

そう思って始めた。

最初の数分は余裕だった。

「意外と平気だな。」

そんなことを考えながら部屋を歩き、窓の外を眺めたり、水を飲んだりしていた。

しかし十分ほど経つと、不思議な感覚が出てきた。

「あれ、今何時だろう。」

「何か通知が来ていないかな。」

「天気を見たい。」

必要でもないのに、スマホを取りに行きたくなる。

習慣というものは、思っていた以上に体へ染み付いているらしい。

時間がゆっくり流れ始めた

スマホを触らないと、時間が進まない。

動画を見ている一時間はあっという間なのに、何もしない一時間は驚くほど長い。

時計を見る。

まだ十五分しか経っていない。

少し歩く。

まだ二十分。

時間が止まったような気さえした。

けれど、そのゆっくり流れる時間は、悪いものではなかった。

部屋の中を見渡すと、普段は気にならない場所に目がいく。

机の上に読みかけの本がある。

棚にはしばらく使っていないノートが置いてある。

窓から差し込む光も、いつもより柔らかく感じた。

スマホを見ているときは、目の前にある部屋よりも、画面の中ばかり見ていたことに気づいた。

「暇」は悪いことではない

最近は、「暇になること」が少なくなった。

電車を待つ数分。

信号待ち。

エレベーター。

何か少しでも空いた時間があると、すぐスマホを取り出してしまう。

暇を埋める道具として、スマホはとても優秀だ。

しかし、その便利さが「考える時間」を少しずつ減らしているのかもしれない。

スマホを見ない時間が続くと、自然と頭の中でいろいろなことを考え始めた。

最近の仕事。

これからやりたいこと。

買い忘れていた日用品。

昔の出来事。

誰かに言われた何気ない一言。

普段なら流れてしまう考えが、ゆっくり整理されていく。

部屋を少し片付けてみた

特にやることがなかったので、机の周りを片付けることにした。

読み終わった書類をまとめる。

ペンを並べ直す。

ゴミを捨てる。

たった十分ほど掃除しただけなのに、部屋は少しだけすっきりした。

もしスマホを見ていたら、この十分は動画を一本見て終わっていたかもしれない。

どちらが良い悪いではない。

ただ、スマホを置いただけで行動が変わることは確かだった。

散歩へ出てみた

まだ時間が残っていたので、近所を少し歩いた。

イヤホンも使わない。

音楽も流さない。

聞こえてくるのは車の音や鳥の声、風で木が揺れる音だけだった。

普段ならスマホを見ながら歩いてしまう道でも、今日は景色を見ながら歩く。

空の色。

雲の形。

季節の匂い。

立ち止まって見るほどではないけれど、確かにそこにある景色だった。

少しだけ心が軽くなった気がした。

一時間後にスマホを開く

一時間が経った。

引き出しからスマホを取り出す。

通知は数件だけ。

急ぎの連絡はなかった。

一時間前にどうしても確認したかったことの多くは、実は確認しなくても困らないものだった。

もちろん、スマホは生活に欠かせない便利な道具だ。

地図も使う。

決済もする。

連絡も取る。

仕事にも必要になる。

だから「スマホを使わない生活」を目指そうとは思わない。

ただ、「必要だから使う」と「何となく使う」は違うのだと感じた。

一時間だけでも十分だった

この実験を通して分かったことは、一時間でも気持ちは少し変わるということだった。

特別な場所へ行く必要はない。

高価な趣味もいらない。

スマホを少し置くだけで、時間の流れ方が変わる。

考える時間が増える。

周囲を見る余裕が生まれる。

心にも少しだけ静けさが戻ってくる。

現代では、常につながっていることが当たり前になった。

だからこそ、自分から少しだけ距離を置く時間には価値があるのかもしれない。

まとめ

「スマホを見ない一時間」は、最初は長く感じた。

しかし、その長さの中には、普段見落としているものがたくさん詰まっていた。

部屋の静けさ。

窓から入る光。

歩くことの気持ち良さ。

頭の中を整理する時間。

どれも特別な出来事ではない。

それでも、一時間スマホを置くだけで、日常は少し違って見えた。

これからも毎日とは言わない。

けれど、週に一度でも「スマホを見ない一時間」を作ってみたい。

便利な道具とうまく付き合いながら、自分自身の時間も大切にしていきたいと思う。

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