50代になっても、自分はVB6に関わる仕事をしている。
VB6は新しい言語ではない。むしろIT業界では「古い」「レガシー」と言われる側の技術だ。
その一方で、世の中では生成AIが急速に広がっている。
Python、クラウド、AI、データ分析。
新しい言葉が次々と出てくる。
そんな時代にVB6をやってきた50代のエンジニアは、これからも生き残れるのだろうか。
自分自身の問題として考えてみた。
VB6をやってきたことは無駄なのか
最初に考えたのはこれだった。
「VB6を長くやってきたことは、AI時代には意味がなくなるのか?」
結論から言えば、自分はそうは思っていない。
確かにVB6そのものは古い。
新しく立ち上がるサービスで、今からVB6を積極的に採用するケースは多くないだろう。
しかし、企業のシステムは新しいものだけで動いているわけではない。
昔から使われてきた業務システムが残っている。
そこには長年積み重ねられたコードと業務ルールがある。
簡単に、
「古いから全部捨てましょう」
とはならない。
古いシステムを理解できる人が必要になる場面は、まだあると思う。
本当に価値があるのはVB6だけではない
自分の経験を振り返ると、仕事で覚えたのはVB6の文法だけではなかった。
既存プログラムを読む。
仕様書を確認する。
SQLを見る。
データの流れを追う。
不具合の原因を探す。
修正した場所が別の機能に影響しないか確認する。
テストする。
結果を報告する。
こうした作業を何度も経験してきた。
これは言語が変わっても必要になる。
Pythonになったから、不具合調査がなくなるわけではない。
クラウドになったから、仕様確認が不要になるわけでもない。
AIがコードを書いてくれたとしても、そのコードが正しいのか判断する人は必要だ。
そう考えると、自分が持っているのは「VB6経験」だけではない。
長年、業務システムと付き合ってきた経験そのものが財産なのだと思う。
ただしVB6だけに頼るのは怖い
だからといって、
「VB6ができるから、このままで大丈夫」
とも思わない。
ここは分けて考えたい。
VB6の経験には価値がある。
しかし、VB6だけで今後10年、20年と仕事を続けられる保証はない。
案件が減る可能性もある。
新しい技術へ移行する企業も増える。
そして自分自身も年齢を重ねる。
だから必要なのは、過去を捨てることではなく、過去の経験に新しい武器を追加することだと思う。
50代から全部覚え直す必要はない
新しい技術を見ると焦ることがある。
Python。
AWS。
Azure。
Docker。
生成AI。
機械学習。
データ分析。
全部できなければいけないような気分になる。
でも現実には、一人ですべてを専門家レベルまで覚えるのは難しい。
まして50代なら、勉強だけに一日中使えるわけではない。
仕事もある。
生活もある。
だから自分は、
「今までの経験とつながる技術から覚える」
という考え方が現実的だと思っている。
VB6+SQLはまだ使える
VB6の業務システムでは、データベースを扱うことが多い。
そのためSQLの知識は新しい環境でも使いやすい。
SELECT。
JOIN。
UPDATE。
INSERT。
GROUP BY。
サブクエリ。
こうした基本は、VB6だけの技術ではない。
Pythonからデータベースを扱う場合にも使う。
Webシステムでも使う。
データ分析でもSQLが必要になる場面は多い。
つまり、
VB6 → SQL → Python
というように、自分の経験を横につなげることができる。
完全にゼロから別世界へ飛び込む必要はない。
Pythonは50代でも相性がいいと思う
自分が次の武器として注目しているのがPythonだ。
PythonはAIとの関係が深いだけではない。
データ処理や自動化にも使える。
例えばExcelファイルを読み込む。
大量のデータを整理する。
CSVを変換する。
単純作業を自動化する。
こうした用途なら、今まで業務システムを扱ってきた経験ともつながりやすい。
いきなり高度なAIモデルを作る必要はない。
まずは、
「自分が手作業でやっていることをPythonで楽にできないか」
と考える。
そこから始めればいいと思う。
AIを敵にするより使ったほうがいい
50代エンジニアにとって、一番大きな変化は生成AIかもしれない。
「AIにプログラマーの仕事を奪われる」
という話もある。
確かにコードを書く作業の一部は、AIによって効率化されると思う。
しかし、それなら自分もAIを使えばいい。
分からないコードを説明してもらう。
SQLの改善案を出してもらう。
Pythonのサンプルを作ってもらう。
エラーの原因候補を整理してもらう。
テスト観点を出してもらう。
仕様書のたたき台を作る。
こうした使い方なら、すでに実務と結びつけられる。
AIを「自分を追い出す存在」とだけ考えるより、
経験豊富な50代が作業速度を上げるための道具
として使うほうがいい。
AIが出したコードを判断できることが強みになる
生成AIは便利だが、何でも正しいわけではない。
もっともらしいコードを出しても、条件によっては動かない。
業務仕様を理解していなければ、間違った処理を提案することもある。
ここで経験が生きる。
「この条件が抜けている」
「この更新は危ない」
「既存機能への影響を確認したほうがいい」
そんな判断は、実際の開発や保守を経験してきた人ほど気づきやすい。
若いエンジニアと新技術だけで競争する必要はない。
経験+AIで戦えばいい。
レガシーシステムとAIの間に仕事があるかもしれない
自分が面白いと思っているのは、古いシステムと新しい技術の間だ。
例えばVB6で作られた巨大なシステムがある。
会社はいつか新しい環境へ移行したい。
しかし仕様を完全に理解している人が少ない。
古いコードも大量に残っている。
ここで、
VB6を読める。
業務システムの保守経験がある。
SQLが分かる。
Pythonも少し使える。
AIも使える。
そんな人がいたらどうだろう。
古いコードをAIで解析する。
仕様を整理する。
移行対象を分類する。
テストケースを作る。
新旧システムのデータを比較する。
こうした仕事ができる可能性がある。
「古い技術しか知らない人」ではなく、
古い世界と新しい世界をつなげられる人
になる。
これなら50代の経験も武器になる。
クラウドも少しずつ知っておきたい
もう一つ避けて通れないと思っているのがクラウドだ。
AWSやAzureを全部覚える必要はない。
まず、
クラウドとは何なのか。
オンプレミスと何が違うのか。
サーバー、データベース、ネットワーク、認証がどう配置されるのか。
その基本だけでも知っておきたい。
資格の勉強を入口にするのも一つの方法だ。
資格を取っただけで突然クラウドエンジニアになれるわけではない。
しかし、知らない世界の言葉を理解するためには役立つ。
50代では「何も知らない状態」を一つずつ減らすことにも意味があると思う。
50代の最大の敵は年齢だけではない
50代になると、
「もう遅い」
と思ってしまうことがある。
しかし、本当に怖いのは年齢そのものより、
「昔のやり方だけでいい」
と決めてしまうことではないだろうか。
毎日8時間勉強する必要はない。
一日30分でもいい。
AIを使ってみる。
Pythonを少し書く。
SQLを復習する。
クラウドの用語を一つ覚える。
それを1年続けたらかなり違う。
50代だから20代と同じ成長方法を選ぶ必要はない。
経験があるなら、その経験を土台にすればいい。
自分が目指したい形
自分がこれから目指したいのは、
「VB6しかできない50代」
ではない。
かといって、
「最先端AI研究者」
をいきなり目指すわけでもない。
VB6を読める。
VBAも分かる。
SQLを扱える。
Pythonでデータ処理ができる。
AIを仕事に使える。
クラウドの基本も理解している。
そして長年のシステム開発経験がある。
この組み合わせなら、まだ戦えるのではないかと思っている。
一つ一つでは珍しくなくても、組み合わせることで自分の価値になる。
まとめ|古い経験を新しい技術につなげる
AI時代になれば、ITエンジニアの仕事は変わっていくだろう。
VB6の案件も、いつまでも同じ数が残るとは限らない。
だから変化は必要だ。
しかし、これまでやってきたことを全部否定する必要もない。
VB6で身につけた業務システムの経験。
既存コードを読む力。
不具合を調べる力。
SQL。
テスト。
ユーザーの業務を理解する力。
そこにPython、クラウド、生成AIを少しずつ追加していく。
自分にとって現実的なのは、この道だと思う。
50代から20代に戻ることはできない。
でも、20代にはない経験を持ったまま、新しい技術を覚えることはできる。
「VB6をやってきた50代だから不利」ではなく、「VB6の時代からAIの時代まで知っている50代」になる。
それが、自分がAI時代を生き残るために考えている一つの答えだ。
まだ遅いとは決めていない。
むしろこれまでの経験とAIがつながったとき、50代からもう一段違う仕事ができる可能性もある。
自分は、それをこれから試してみたい。


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